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その森に、女はひとり佇んでいた。
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花姚記 (ドラマ・リーディング公演)
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コーリャン畑に吹く風の音を聞いたことがあるかい? 空まで高く延びた、蒼いコーリャンを揺らして吹き抜ける風の音を。 ヒュー、ザワザワ、ヒュー。 懐かしいその音も、この町では聞こえない。
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私はいつもこの森に来る。 小さな泉と、大きな切り株と、崩れ落ちた白い洋館の壁。 私はいつもこの場所に腰掛けて、幸せだった少女の時を思い出す。 あれこれと懐かしい思い出を辿りながら、私はいつも、ひとつの言葉を繰り返す。 「さよなら」と。 |
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そして私は大地にひざまずき、穴を掘り、種を植える。 小さな 幸いの種を。 ささやかな種のささやかな物語。 夕暮れが足音もたてずに忍び寄り、西の空に蒼い月が昇る頃、 ヒグラシの声に混じって、あの人が私を呼ぶ声が聞こえて来る・・・。 |
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オイラは手を伸ばす。
雲に向かって、夢中で手を伸ばす。
大地を踏みしめる。
空はどんどん高く澄みわたり、やがて、見渡す限り群蒼の蒼に満たされて行く。
・・・届かない。
オイラのポケットから落ちたビー玉は、広いコーリャン畑に転がって、
そしてオイラは、薄れて行くメイホァの面影を、
ただぼんやりと見送るしか無かったんだ・・・。
参考文献:寺山修司
作 私窩子より「花姚記」
第10回
柏崎演劇フェスティバル参加作品 平成16年1月31日(土) 19時〜
(1回公演)
出
演
山岸 しのぶ 寺尾
健夫
山崎 和則 虎林 はんじん
友情出演 : ホセ
山崎
作・演出: 虎林はんじん
舞台監督: しんくまともこ
照 明: じーぱん
音響:
萩野知己、ゆでたまご
メイク: 五十川直子
制 作:
こばやしゆうこ